食材があっという間に消えていく 相撲部合宿所の食事はお祭り騒ぎ
相撲部の顧問1年目に、青森県内の有力選手を中心とした強化合宿が私の勤務する町内の施設で行われることになりました。
集まった生徒たちは県大会を勝ち進んで、東北大会や全国大会への出場を決めているような有力選手たち。
また、新人大会で伸びそうな強化選手など、元気なガタイのいい子どもたちでした。
私の勤務していた学校の相撲部も強豪校なので、生徒たちは全員参加していました。
そのおかげで、保護者のみなさんも全員協力してくれました。
この合宿は中体連の相撲連盟が中心になってやるので、私は無理しなくてもいいと言われていました。
だから基本的には手を出さない予定でした。
まぁ、そういうわけにもいきませんでしたが……。
1日目は昼過ぎに集まった子供たち。
大会では対戦することもある相手でも、土俵を下りれば仲良く遊んでいました。
先輩も後輩も関係ありません。(言葉遣いだけは敬語ですが、遊びは遠慮なしで何だか笑えました)
久しぶりの再会を子どもたちが楽しんでいた頃、合宿所の厨房には食材が次々と運び込まれてきていました。
まずは農家の保護者からお米がドーンと届いていました。
その他、野菜、野菜、野菜、肉、肉、肉。
今夜は初日なので簡単にカレーだとその日のリーダー格のお母さんが言っていました。
その他に大量のサラダやデザートをどんどん作っていきました。
普通の中学生相手では考えられないほどの食事の量がすごい勢いでできていく様子は、お祭り騒ぎみたいでした。
私にできることはお皿を用意することとか、野菜を洗うこと、そして、段取りが分からないところでは邪魔にならないように逃げることでした。
そうしているうちに食事は無事に完成し、夕食の時間。
その頃を狙って、子どもたちのお父さんや外部のコーチから差し入れが次々にやってきました。
唐揚げやコロッケ、ポテトフライや焼きそば、ケーキ等なんでもありでした。
スイカやメロン、バナナもどっさりもらいました。
これが相撲部の感覚なんだなぁと妙に感心した覚えがあります。すげぇ
夕食のカレーはもちろん全員大盛り。
配膳された食事を残すことはご法度。
差し入れもしっかり食べなければならない。
なんてったって食べることも稽古なのだそうで、最後の方は修行のようになっている子もいたりして。
見ているだけで、こちらはお腹いっぱいになりました。
彼らの食事は全員そろって「いただきます」して、全員そろって「ごちそうさま」。
片付けは全員できちんとお皿を下げてくれました。
そういえば相撲部の子どもたちと外で食事をしても、食べ終わった後のテーブルはいつもきれいに片付けやすくしてありました。
こういった躾は小さい頃から心技体のスポーツをやっている中で自然に身に付いたのかなと思いましたね。
こんな感じで始まった3日間の合宿は、とにかく毎食の食事準備が大変で、一食終わった後にもう次は何って感じだったのでした。
そんな中で忘れられないメニューはエビフライ。
これは県大会で優勝した選手と一緒にエビの殻をむいた忘れられない一品。
夕食用のエビフライのエビの下ごしらえをしていると、彼が厨房にやってきて何か手伝ってみたいと言うのでやらせてみたのでした。
エビのしっぽは残してねと言いながら一緒にやってみても、力加減が難しいのかことごとくしっぽをむしってしまった彼。
相撲より難しいと言いながら、それでも最後まで頑張っていました。
なんか大きな体してエビをむいていたのはとてもかわいかったです。
途中様子を見に来た後輩たちが「〇〇先輩が料理してる!」と驚いていました。
そして、しっぽのなくなったエビを見て「これに文句付けられる奴はいないから大丈夫っすよ」と言っていたのも可笑しかったです。
そして、夕食にはまたまた大量のエビフライ。
山盛りのエビフライですが、しっぽ無しのエビ多数。
なんかヘンだという子どもたちには「このエビフライは〇〇先輩が作ったんだぞ」という一声がかかるだけで「あざす」「最高っす」と変わっていたのでした。
ちよっと圧を感じる気もしますが、食事に決して文句を言わないっていう教えでもあったようです。
部活動の在り方をいろいろ取沙汰されていますが、こういうことを自然に教えてくれる場があるのは必要なことだと思います。
要は運営の仕方ですよね。
この時の合宿も結局受け入れた施設の町内の保護者と関係者がかなり頑張ったわけですから。
中体連の関係者は練習以外はほとんど役に立っていませんでしたよ。
食事の支度や掃除の指示も私たちがやっていましたからね。
中体連関係できたはずの方々は夕食後は大人のお付き合い🍺をしていたので、そういうのはどうなのかと思いますねぇ。
それってあり?
どこかにしわ寄せがいっちゃうようなやり方は改めて欲しいですね。