先生の数だけドラマがある24 ～大会遠征・合宿・キャンプ・遠足はビックリの連続１～

１人じゃ眠れないんです　(´；ω；`)ｳｩｩ

数年前に県大会に出場する柔道部の引率をしたことがありました。

当時の私は文化部の顧問なので、本来ならば引率など割り当てられるはずもないのですが、柔道部は女子選手がいるのに、顧問は男性。

というわけで、その子たちの面倒を見て欲しいと管理職に頼まれ、仕方なく引き受けたのでした。

子どもたちは私の所属する学年の生徒が中心だったので、出発したときは何の手もかからず、バスの中も明るく楽しく移動できました。

これなら二泊三日位大丈夫かな？と思っていたのです。

行きはバスがスーパー安全運転で移動時間がやたらと長いことを除けば、それほど辛くはないかな？と呑気にしていたのでした。

しかし、この後ビックリすることがいろいろありました。

大会用に宿泊したのはビジネスホテル。

ホテルは全員分、それぞれ個室で予約されていました。

私は「しめしめ、これで一人の時間は確保できるぞ。やったー！」と思っていました。

ところが、子どもたちの中から「えーッ、一人じゃ眠れない」という声が。

男子が、しかも柔道部、ついでに中学生が？

おいおい、何の冗談だ？

「えっ？個室なら気楽でいいじゃん。お風呂の順番とかも気にしなくていいし」

と私が言うと

「ホテルの部屋に一人でいるのは怖いよ」

「2人とかの部屋に変更できないの？」

と泣きそうになりながら言うのでした。

一応フロントに確認したところ、大会シーズンなので当然ながら空室等は無く、全員そのままの部屋にチェックイン。

でも、荷物を置くとすぐに出て来てしまうのでした。

仕方がないので夕食までの間、近所のコンビニまでお散歩に連れていくことになりました。

うぅぅぅぅ、手がかかる( ﾉД`)ｼｸｼｸ…

この間、肝心の柔道部顧問は何の役にも立たなかったのが更に腹が立ったのでした。

そんな柔道部員たちに囲まれてコンビニに行った私は、傍から見たら怖いお兄ちゃんたちに囲まれている人に見えていたでしょう。

彼らの見た目はたくましそうな中学生でしたからね。

しかし、中身は怖がりの「さびしんぼう」たちでした。

人は見かけによらずの見本です。

さて、散歩から帰って、夕食後はそれぞれ寝るだけ。

どうするのかなぁと思っていたら、私にとっては信じられないような方法で怖い夜を乗り越えたのでした。

それぞれの部屋は普通のシングルルームなので、当然全部がシングルベッド。

それなのに、一つのシングルベッドに２人或いは３人で寝るという暴挙に出ました。

ベッドにギューギューと、ベッドを縦ではなく横に使って大きな中学生たちが寝てました。

翌朝起こしに行ってそれを見た時は呆れるやら、びっくりするやらで笑ってしまいました。

こんなんで今日の柔道の試合で戦えるのかなぁとも思ったりして……。

でも、そんな心配をよそに、試合ではそれなりに戦っていたのでやれやれと思ったりもして……。

しかし、こういう大会に引率して気づくことは、大会運営にかかわっている先生たちの行動の問題点。

一緒に行った本来の顧問は前日の夜は大会役員の先生方との飲み会だとかで、ホテルを留守にし（臨時の引率者の私に子どもたちを任せっぱなしにして）深夜まで帰らなかったこと。

翌朝はそのせいで、生徒たちと約束した集合時間に起きてこなかったこと。

この２つはうちの顧問の問題だけのように思われるけれども、会場に行ったら、大会役員と思われる先生方の中にはお酒臭い人がいたりしたので、全体の問題なんじゃないかと思ったわけです。

そういう気持ちの緩さのせいか、大会の進行も非常に緩く、時間が無駄にかかっているなぁと思ってしまったのでした。

というのも、進行の間が無駄に長く、同じことをまとめてできないという、ちょっとの工夫で何とかなるのにやっていないというだるさ。

今までいろいろな競技の引率をしてきましたが、もう２度と柔道の大会引率だけは行かないぞと心に誓ったのでした。

他の大会の進行の仕方を見る機会ってきっとないんでしょうけど、勉強した方がいいですよと心から思ったのでした。

さて、さびしんぼうの柔道部員たちももう高校を卒業しているお年頃。

さすがに一人で眠れないなんて言ってないとは思いますけど、一人暮らしを始めている子もいるだろうからどうしているか聞いてみたいなぁと思ったりしているのでした。