言葉が分からない
教職10年目で初めて担当することになった特別支援教育。いきなり壁にぶち当たった。使われている言葉、専門用語が分からない。調べる時間もほとんどない。新学期は怒涛のように仕事が押し寄せてくるのだ。普通のクラスの授業も担当する私はそちらも準備しなければならない。所属学年の仕事もこなさなければならない。教頭先生が専門家がいるから大丈夫と言っていたが、その先生は当てにならなかった。(教頭先生、話が違うよ (# ゚Д゚))
特別支援教育を初めて担当する先生たちは、校外での研修会に強制的に参加させられる。学校事情は関係無しだ。あまりの出張の多さに、何も知らない先生方からは「またか。」と言われたりした。(こっちだって好きで行っているわけではない 怒)
そういう研修会でようやく少しずつ専門用語の詳しい説明も聞けるようになるのだが、その時点でたくさんの提出書類を作成・提出済であり、時すでに遅しな研修会も多かった。
提出書類例
・個別の指導計画書
・個別の教育支援計画書*1
この2つの違いがまず分からなかった。その中に記入が必要なWISC-Ⅲ(当時はまだこれです)の数字の意味も分からなかったし、社会生活能力の数値のレベルも分からないし、「なんじゃこれ?」「うぎゃー」と絶叫しそうなほどだった。
WISC-Ⅲ*2とS-M社会生活能力検査*3の意味が分からないままで計画書を作るのは申し訳なく、何となくの理解だけで出来上がった当時の書類は完全に自分の中の黒歴史となった。
さて、そんな私が参加していた新担当者研修会。顔を合わせると話すことは悩みや戸惑い、不満が多かった。楽しそうな人はほとんどいなかった。みんなストレスを抱えていた。当然である。大半が転勤に伴う降ってわいた人事で、何だかよく分からないままに引き受けていた人が多かったからである。(学校のやり方ってズルいよね)
特別支援学級担任への周りの見方
①特別支援の免許所持者で希望してやっている
②免許所持者ではないが、希望してやっている
③普通のクラスの担任ができないので、特別支援学級に回されている。
④学校内の人事の状況により、頼まれてやっている。
大きく分けるとこんな感じではないだろうか。。研修会での話を聞くと、④の人がほとんどで、②が少しだけだった。①はなく、③もいない。
だが、世間では③だと誤解する人が圧倒的に多い。大変迷惑である。あんなに大変な仕事を普通クラスの担任ができないような先生にやらせておこうなんて考える管理職がいるとしたら、どうかしている。特別支援学級の子供たちを馬鹿にしないでもらいたい、と憤ったことを覚えている。
「特別支援学級は人数が少なくてラクでいいよなぁ。」なんてふざけたことを言う同僚もいたが、かける労力と気力は普通クラスと何ら変わらないどころか、より緻密で繊細さを要求される。
最初に担任した特別支援学級は知的学級だったから、まだWISC-Ⅲや社会生活能力が読めるようになって何とか過ごせるようになったが、3年後にまたまた未知の世界へ入ることになる。
特別支援教育は一度引き受けるとなかなか抜けられない
ある先生が私にこっそり言ってくれたこの言葉。本当にそうだった。
それではまた。次回へつづく。
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