校内弁論大会が嫌いな国語教師だっているんだよ
私が勤務していた地区では、以前は夏休み明けに校内弁論大会が行われる中学校が多かったです。
最近では夏休みに入る前に校内弁論大会を終えるようになってきましたが……。
どちらにせよ、夏の暑い日に空調のきかないような体育館に全校生徒を集めて、各クラスの代表者1~2名が弁論発表するという、苦行のような行事が設定されているのです。
授業数確保のためにいろいろな行事の精選を行っているという学校なのに、この行事のために2時間も授業を使っていました。
この行事、止めたくても止められない事情があるんですよ。
それはこれが地区の警察署からの持ち込み行事だから。
九月早々に少年防犯弁論大会の地区大会があるため、どうしても学校代表者を選出しなければならないのです。
学校によっては思い切って校内大会を無しにして作文だけで選出するという形をとったところもありますが、それはかなり珍しいパターン。
これがまぁ大変なんです。
校内大会はまずクラスの代表者がなかなか決まらない。
そりゃあ当然と言えば当然です。
でも無理やり選出され、学級担任が指導します。
そして当日は校長、教頭、各主任クラスの先生、担任以外の国語科の代表者の先生が審査します。
この校内弁論大会の指導期間に訳の分からないことを言ってくる先生がいて困ったものでした。
私は普通学級の担任以外の時は審査員をしていたので、校内弁論大会の練習期間は代表選手の練習には一切関わらないようにしていました。
誰か一人にでも指導すると「特別扱い」とその生徒が誤解される可能性がありますよね。
ちょっと考えれば断られる理由が分かると思いますが、弁論の指導を依頼してくる担任の先生が必ずいました。
そして、こちらが断ると「ちょっとぐらいいいじゃないか。ケチだな。国語科だろ。」などと言うのです。
教師の言う言葉か⁈
それに対して私は、コイツの頼みは今後どんなこともきいてやらねぇよと心の中で強く思ったものでした。私も十分大人げないね。
先生という人たちにも困ったものです。何様だよ?(-"-)
さて、そんなこんなな日々を過ごして迎えた弁論大会。
審査員はとっても辛かったです。
申し訳ないけれど、聞きごたえがあるものばかりではないし、暑いし、眠くなるし、滅茶苦茶辛いつらいツライ。
ふと周りを見ると、他の先生の中には居眠りしている人もいたりして腹が立つし。
こちらは学校代表を決めなくてはならないためつまらなくても気が抜けない。
だんだんとムッとしてしまうのもしょうがないですよね。
全てが終わって結果発表の頃には疲労はピーク。
いつも講評は全然聞いてませんでした。
それよりも、これから始まる地区大会に向けての練習を思って憂鬱になっていたのでした。
そう、校内弁論大会が終わった後は弁論代表者の指導はいつでも国語科へ丸投げ状態。
それが当たり前だと思っているみたいでした。
国語の先生が全員、弁論が好きなわけじゃないんですけどね。
それぞれ専門が違うし、作文がおかしいところは直せても、弁論指導が得意というわけでもないでしょう。
それでも「後はよろしくね」という態度が本当に嫌でした。
地区防犯弁論大会引率も当然のように行かされて、これも退屈で辛かったです。
この弁論大会って誰のために、何のためにやっているんでしょうかね。
もっともらしい理由を毎回のように聞かされていたような気がしますが、一つも心に残っていません。
じゃあ、納得できる理由じゃないじゃん。
あそこで発表していた子どもたちも、本当に話したいことを話していたのかな?
多分違っていたんじゃないかな。
弁論大会のための弁論をさせられていたようにしか見えなかったです。
だから、私が聞いた弁論の大半はどれも心に残っていないのかもしれませんね。
今年も防犯弁論大会ってあるのかな?
内容や実施自体を見直してみようとは思わないんでしょうかね。
もっともっと子どもたちが本当に言いたいことを言えるような場にしてみたら、面白いものになりそうなんだけど、警察署主催では無理ですか?
遊び心欲しいです。