かずたまりん通信

元中学校教師の独り言。今だから言えることもあるんです。

夏休みの思い出 富士登山は亀が強い

富士山頂で🍎を食べるを目標に

 大学2年生の夏休み、富士登山に挑戦しました。

大学の体育の選択コースの中に「キャンプ指導講習と富士登山」というものがあって、参加すると半年分の単位取得が可能でした。

約一週間の講座に参加するだけで、単位がもらえるならいいかなと軽い気持ちで申請しました。

この講座は毎年希望者が多く抽選になるというものでしたが、なんとか当選し、参加することになったのでした。

でもこれが、なかなか大変なものだったのです。

詳しい日程はもう忘れてしまいましたが、本当に辛かったですね。

教員を育てることで有名な大学でもあったので、この講座はキャンプの指導ができる人材の育成を想定して設定されていました。

ですから、宿泊は本栖湖のキャンプ場にテントを張って、完全に自炊生活。

毎日いろいろなアスレチックメニューをこなしたり、レクリエーション活動が盛り込まれたりしていました。

そして、日程の後半に富士登山が組み込まれるという、今思えば冗談のような、罰ゲームのような地獄のメニューでした。

登山と言えば、体調を万全にして臨むものだと思うんですけど、当時の私たちは登山前日からすでに結構疲れ切っていたと思います。(これが後に私としては良かったようなんですが。)

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富士登山の日、キャンプ場から登山道まではバス移動しました。

バスで行ける五合目に到着した後で、グループごとにゆっくり出発するように言われました。

できるだけ身体を高地に慣らしてから出発しなさいと登山ガイドのおじさんたちが言っていたので、私たちのグループは素直にゆっくりしていました(というか、前日までの疲労感で元気いっぱいという感じではなかったため、ダラダラしていたかったのです)。

そんな私たちを尻目に、元気なグループは次々に出発していきました。

私たちはほぼラスト組として、先頭グループから遅れること一時間以上経ってから、ガイドのおじさんと出発しました。

極めてゆっくり、まさに亀のようにのろのろと進んでいきました。

でも、ガイドのおじさんは全然急かしたりしませんでした。

むしろ、「これでいいんだ。今に分かる。」と言っていました。

この日は途中の山小屋で仮眠をとることになっていました。

翌朝はご来光を見るために早朝から登山を再開することになっていたのでした。

だから、山小屋の夕食時間に間に合えばいいわけです。

そう言ってもらえてものすごく安心した私たちは完全に亀グループ🐢となり、実にゆっくりゆっくり登りました。

すると、途中、私たちよりも早く出発したグループが次々にぐったり休憩している場面に遭遇しました。

私たちよりもはるかに元気そうだった彼らは、元気に登りすぎたために高山病のようになったり、体力を過信したために逆に疲労で動けなくなってしまったようでした。

私たちは無理をせず、疲れたらすぐに休み、できるだけゆっくり進み、ノロノロしていたおかげで無事に山小屋に到着しました。

ほぼラスト組だったはずの私たちでしたが、多くのグループを追い越して、しっかり夕食に間に合ったのでした。

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翌朝というか深夜にはご来光に向けてまた山頂に向けて登山を再開。

寒かったですよ。(たまにいるのですが、軽装で富士登山なんて頭おかしいんじゃないかと思われますよ)

地上とは約18度位低い気温の中、再び亀のグループとなった私たちは実にゆっくりゆっくり出発しました。

私たちのグループは登る前に「富士山頂でりんご🍎を食べる」という目標を掲げていました。

だから全員の荷物の中にはもれなく🍎が入っていました。

富士登山で一番きつかったのは、頂上が見えていてもなかなか近づけなかった辺りでした。

その時は、そのりんごの重ささえもちょっと辛かったのですが、全員で励まし合ってなんとか登頂に成功しました。

そして、念願の富士山頂で🍎を食べるを達成できたのでした。

この夏休みの富士登山では、多くのことを学んだのですが、やはり一番は大きな目標を達成するためにはゆっくり着実に進むことが大切ということでしたね。

亀は強かったです。何事も焦らずですね。f:id:kazutamarin:20190807154614p:plain