かずたまりん通信

元中学校教師の独り言。今だから言えることもあるんです。

給食のお話 2 ~カレーが怖い~

 

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記事内容のメニューとは関係ありません


月末になると翌月の給食のメニュー表が配布された。子供たちはそのメニューを見て好きな献立を見つけては「この日だけは絶対休まない!」等とチェックを入れていた。その光景はとても微笑ましい。もちろん私もメニュー表のチェックは入念に行っていた。決して楽しみだったからではない。それでは何故か?それは、給食は先生用には作られていないからである。

ある中学校の金曜日の献立(カレーは金曜日の定番メニュー)

ポークカレー・福神漬け・フルーツヨーグルト・牛乳

子供たちに人気のありそうなこのメニュー。しかし、これは1,000kcalを超える恐ろしいメニューなのである。この内容は育ち盛りの中学生のための、しかも放課後に運動部で活動することを前提とした献立なので、大人が普通に完食したりすると当然ながら食べ過ぎである。そう、私が入念にチェックしていたのは献立の総カロリーの欄。そして、食べ過ぎないようにする作戦を立てるためである。

 私が教師として採用されたのは美味しくて有名な自校給食のある中学校だった。給食のおばさんたちの愛情たっぷりの美味しい給食は子供たちと同時に職員全員に愛された。漁火スパゲッティ(イカ、エビ、アサリ等の魚介たっぷりのトマトソースのパスタ)、五目炊き込みご飯、サーモンフライには手製のタルタルソース掛け、冷やし中華も具の手抜きなしだし、味噌ラーメンは大人気で欠席者がいないほど。「おでん・焼き鳥・梅干し」という謎メニューの日もたまにあったが、基本的には楽しみな料理が並び、毎日しっかり食べていた。美味しい給食だからいわゆる完食指導なんてする必要もなかった。とても幸せな給食ライフだった。しかし、落とし穴が待っていた。太ったのである周りの先生方の中にも体重増加者が結構いた。「ここの給食は美味しいから太る人多いよぉ。」「給食の献立は子供たちの成長に合わせてあるし、1日の摂取カロリーの半分位は取れるようにしてあるんだよ。朝ごはん食べてない子もいるからね。」なんてにこやかにおばさんたちは1年近くたってから話してくれたけど……。もっと早く聞きたかった(涙)。

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それからである、メニューの総カロリーを気にするようになったのは。

のちに転勤した某中学校はとても美味しくない給食で有名だった。そのため緩やかに体重は減少したが、再び給食で失敗したくない私は、他の中学校へ転勤しても給食の完食はできるだけ避けていた。自分が盛り付ける時はこっそり減らしておいた。特にカレーは怖かった。なんたって1000だからね?!

他の日のメニューでも一食800Kcal位ある日も多く、給食は大人にとって気を付けなければならないものなのである。

子供たちへの完食指導なんて恐ろしい。自分だってできないのに。だから私は完食指導はそこそこでいいと思っていた。

この春新人教師となったみなさん、くれぐれも気を付けて食べようね。そして、ダイエットを考えている中学生のみなさんも、給食は計画的に。

 

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